現代社会にあって科学技術への依存度が増進するなか、天地を生きる人間として、科学とどう関わっていくかが、信仰の課題となっている。金光教国際センターでは、この問題を継続的に考えていきたいと願っている。今回は前所長の岩﨑道與師に、ご寄稿いただいた。
「信の根拠」
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「信の根拠」岩﨑道與
「信の根拠」
金光教静岡教会 岩﨑道與
ある本に載っていた、忘れられない話しがある。
トリノの聖ヨハネ大聖堂には、磔になったイエスの遺体を包んだとされる聖骸布がある。その真偽をカトリック教会は正式に鑑定しようとしない。その理由は、鑑定の結果、それが偽物であることが判明するのを恐れているからではない。仮に、それが偽物であったとしても、カトリックの信仰にはダメージはない。逆に、信仰にとってダメージとなるのは、科学的に本物であると実証され、それを信仰の拠り所にした時だ。それは「信じる」ことではなくなるからだ。信じるということはまだ自明でない段階で、それを受け入れることでなければならない。それには「飛躍」が要る。 続きを読む